バベルの塔に似た都市集中と林の中の工場との対比
日本の寒冷地農業の実践の場になった清里の清泉寮
【(タイトル)
バベルの塔に似た都市集中と林の中の工場との対比
(本文)
人の暮らしはどのようにできているか。ゴリラはその日の寝床をつくる。人は雨露しのぐための寝ぐらを用意する。洞窟に始まった寝ぐらは屋根を掛けたものに移っていく。20日食べないと命が怪しくなるから何かを食べる。木の実、草の根、果実を食べる。小麦からパンをつくれるようになり、水田で稲を収穫できるようになった。寒さへの備えのために蓑をかぶり麻を織って身にまとうことを知る。
戦後間もない1945年ころは日本の農業など第一次産業の就業割合は6割を超えていた
。農業従事者は食を自前でまかなう。林業や農業の自由自社も田畑を耕して自活した。日本の食糧の自給率は9割を超えていたはずだ。経済の不況とは農業が食えなくことだ言ってよい。軍部のクーデター事件は農村の疲弊を口実に発生したが実際はどうであったか。日本人の生活は農業によって成り立っていたから経済不況が農村にそのまま影響した。
戦後の行動成長期になると第二次産業と第三次産業が密集する都市圏に農漁村から15歳の労働力を強制的に移動させた。農業、漁業の次男、三男などに地元で職を与える政策を採らなかったためだ。食糧は順次アメリカから入れるようになった。2020年の現在では農業従事者は人口の4%でありGDP比率は1%である。国は農業を捨てた。安いからということで中国、米国、カナダ、豪州などから主要食糧を入れる。食糧の自給率に優る安全保障はないのであるがこのことが捨て去られている。米国が意図して日本への石油供給を止めたことで1941年(昭和16年)12月8日何がおきたか。
人の愚かさは新型コロナウイルス感染症COVID-19への心理パニックによって経済を止め、日本中の人々が紙切れに等しい薄布を口に巻くようになった。
2020年7月11日現在把握では、国内での新型コロナウイルス感染症の感染者は21,129例、死亡者は982名である。入院治療等を要する者は2,298名、退院又は療養解除となった者は17,849名だ。手洗い、ウガイ、マスクなどによってインフルエンザ感染者と死亡者は極度に少ない。多い年には5万人がインフルエンザによる肺炎で死んでいる。
未知の事柄にであると人はうろたえて愚かな行動をする。日本の都市部のビルの集中と引き続く建設の嵐はバベルの塔を思わせる。自然の摂理をこえた高い塔をつくっても壊れるのが定めである。神をこえようとする空想的な行動は失敗に帰す。研究者は紀元前6世紀のバビロンのマルドゥク神殿に築かれたエ・テメン・アン・キのジッグラト(聖塔)の遺跡がその塔だ。
就労者の都市への集中は産業と経済の第三次産業化に牽引されているものなのか疑わしい。通信インフラとコンピュータ技術の発達は都市に人が集積しないでも業務ができる仕組みになっている。通勤に2時間を要し職場での実労働が6時間という実態がある。在宅あるいは分散した職場で所要の働きをすることができる。これを裏付ける事例を数えてみることをすすめる。如何に多いことか。
日本はすでに人口減少の階段を下り、傾斜地を転げている。1億3千万人の人口は30年か40年もすると7千万人規模になる。都市生活の様式では子供の数が減るのが人間の生活原理であることがほぼ判明している。都市生活は人間を愚かにする機能として作用する。バベルの塔のバビロンは都市であり都市文明のなかで人が暮らしていた。都市では人は妄想的になる。自然という娑婆(しゃば)から分離されると人はバベルの塔をつくって神への冒涜(ぼうとく)にも似たことをしてしまう。
虫取りが好きだった青年がすり切れた全学連旗を手にデモの先頭にたってみたものの描いた望みは砕かれた。早稲田大学文学部哲学科を卒業すると青年は北米を働きながらバックパキングして歩く。日本に戻ると長野県南佐久郡川上村の標高1,400メートルを超える場所に小さな住まいを建てて釣りと登山に興じる。アウトドア雑誌の常連執筆者になっていたその原稿料と出版物の印税収入があった。敷地の樹木を切って畑をつくり、ジャガイモを収穫するようになった。自給自足を標榜したから机、椅子、家具などを自分でつくった。何時しか木工に興じることに会見を覚えるようになっていた。背もたれのついた木工椅子のウインザーチェアーは注文者が多くなったが労働を売る様式のことをしたくないために製作数を制限した。自給自足の生活では自分のための時間は自分でつくりださなくては成らない。余暇をつくりだすためには勤勉でなければならない。
人が密集し集積する都市部は人間性をないがしろにしがちだ。だから子供の数が減る。さいわいに日本の工場の多くは昔の農村地帯に分散している。新幹線や高速道路からみえる工場がそれである。林の中の工場、田畑の脇の工場である。こうしたところで働く人々は生まれた家から通えるし、自分で家を建てたり買ったりして住むことができる。通勤時間も少ないし通勤のために神経をすり減らすことがない。滋賀県や静岡県などはこのような地域である。新潟県や富山県もそうであり、新潟県の計量器会社に勤務するある人は親から受け継いだ二町歩の水田を耕作している。ジャガイモを掘り稲を刈りキノコを採るといった行為は人間が身体を動かす喜びを呼び起こす。
2020-07-11-contrast-of-urban-concentration-similar-to-the-tower-of-babel-with-factories-in-the- forest-
【資料】
人口減少の事情と日本の50年先の状態
2020年日本経済の素描
机と椅子が織りなす快適値としての29cmという科学
新型コロナウイルス感染症COVID-19対応の温度計測機器
文武両道は集団催眠がもたらした言葉だ
日本の次世代経済はのみの市経済か
COVID-19に感染したら生命と財産を何とか守ってやる
バベルの塔に似た都市集中と林の中の工場との対比
新自由主義批判にも聞こえるトマス・モアのユートピア
COVID-19におびえて洞窟に3カ月避難した日本
新型コロナ対応で経済を止める愚挙
下気道感染症で300万人、下痢性疾患で140万人、結核130 万人、これと新型ウイルスを比較する
新型コロナウイルスと肺炎疾患を考える
新型コロナウイルス、現在の感染者・死者数(18日午前2時時点)AFP 2020年3月18日 5:23発信地:パリ
新型コロナウイルス感染症で体温計が市場から消えた
(不適切な表現などについては意に反するものですのでご容赦ください)
2020-06-15-japan-frightened-by-covid-19-and-evacuated-to-a-cave-for-3-months-
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